7.棚の上から
整式の割り算についてこんな問題がよくある。
整式 A を (x+1)^2 で割ると 2x-1 余り、x-1 で割ると 5 余る。このとき、A を (x+1)^2*(x-1) で割った余りを求めよ。 (答はきっと)
ある先生(A先生としよう)が怒っていた。どうやらこの類の問題を別の教師(B教師としよう)が教えたが、そのクラスの多くの生徒が理解できなかったらしく、その生徒達が何故か関係ないA先生の所にたくさん(10名以上)押し寄せたらしいのだ。それで、A先生は生徒のノートを見てB教師に腹を立てていたのだ。(生徒も、誰の説明が分かりやすいか知っているから、A先生の所に助けを求めに来たのだろう。)
B教師は「求める余りは、p(x+1)^2 +2x-1 と表される」といきなり始めたらしい。しかも、それはテキストに付いてくる講師向けの解答そのものだったらしい。私もこの問題についてはB教師は授業を失敗していると思う。何故なら、
1.こういう解答は書く分量は少ないが、わかりにくい(どうやって説明します?)。つまりハイレベルな生徒用なので、クラスの様子を見極めて使う必要がある。だから、B教師は「クラスのレベルの評価」か「この手法の説明」のいずれかで失敗している。
2.他の情報も合わせると、どうやら講師向けの解答をそのまま黒板に書いてるらしい。自分が考えようとしないでいて、生徒が「考える力」を身につけてくれるはずがない。
このやり方をするなら、
と置き、
と表し、実際にAを(x+1)^2で割ってみるのがよい説明だと思う。
この割り算を見れば、
であることは一目でわかる。B教師が黒板に写した講師向けの解答にはこんなことまで書いてあるはずがなく、また、書いてある必要もない。なんでそんなので済ましたの?
最近は生徒だけでなく教師も「手取り足取り」を望む人がいるらしい。私も執筆を担当したテキストについて「君が書いた 講師向けの解答は、生徒向きではないから気に入らない。」と面と向かって言われたことがある。どういう意味なんでしょ。(?_?)
数学の教師が論理的かと思ったら大間違いで、特にうちの業界では、 大嘘でも正しいと思いこんで話してる方が多数の生徒には受けがよかったりする。でも、やっぱり、生徒も「気づく」時が来るわけで、A先生のような駆け込み寺みたいな人を頼ることになる。自分の授業の尻拭いを他人にさせるような講師が、残念ながらいるのです。
さっきから天井に頭がつかえると思ったら、知らないうちに棚の上に上がった状態でキーボードを打ってるぞ。おかしいな。自分を棚に上げたんだろうか?
答はきっと、「x^2 + 4x」 (back)
大嘘:私が聞いたすごいのは、「置換積分で x=f(t) と置換する場合、f(t) は 単調増加または単調減少でなければならない。」(☆\(-.-メ) バシッ)
私自身で言うと集合のベン図(ベンは人名)を「便図」と書いてました。「とても便利だから便図」だと、ずっと・・・。私の専攻には集合論も入ってたんですけど・・・。 (back)
☆ 8.22/1998追記。上記の大嘘については、 反例とやらまで見せてもらっちゃった。「予備校講師のくせにこんな事も知らないのか!」と 怒鳴り出すし。(バカ?) 知らないよ、普通。傑作だから某大の数学科の教官にも教えたら、あきれていた。当たり前です。
で
と置換すると、2/3のはずが0になるんだって。
どう言うことかわからない人もいるらしいので、説明すると、
と勘違いしたわけですね。「積分区間の上下が一致している(ともに1)から、定積分は0。」 ・・・(^^;
この置換だって、−1≦x≦0 と 0≦x≦1 とで分けて計算してご覧よ。2/3がちゃんと出てくる。0 だと勘違いしたのは、異なる関数を同一のモノと見なす(爆)という無謀なことをしたのが原因。
*********** 自分が随分まともな講師だと思うことがこの2,3年しばしばある。面の皮が厚くなったのか、 自分のことを棚に上げるのが上手くなったのか・・・っと、この二つは殆ど同じ意味だね。(爆)