6.12/1998

8.何なんだろうな

大学受験科(浪人生)の生徒がペラペラの冊子を持って質問に来た。ベ*ッ*(以前は福*書店)の複素数平面をテーマにしたもののようだ。解答がよくわからないと言う。少し分量があるけど、問題と解答を引用してみる。現物は手元になく記憶が頼りなので、細部の相違はあると思うが、本質的な所は元のままのはずである。

「何なんだろうなぁ、これは(・o・)」という感じを味わって欲しい。

*   *   *   *   *   *   *   *

問題.実数の定数a(≠0)、b、c があり、複素数αに対し、複素数ZをZの定義と定める。

(1) Zが実数となるためのαの条件を求めよ。

(2) αが(1)で求めた条件を満たすとき、Zは全ての実数となり得ることを示せ。

解答.(1)Zが実数となるのは実数条件となるときである。

計算

これが0になるには、

αの条件

となればよく、つまり

αが実数、またはαの実部が-b/2a。  (答)

(2)

平方完成((@_@)「先生、ここがわかりません」)

が実数となることがZが実数であることの必要十分条件であり、

このときは全ての実数となりうる。

よって、Zは全ての実数になりうる。  (証明終わり)

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(2)の最初の平方完成の所((@_@)「先生、ここがわかりません」という箇所)が生徒はわからないと言う。彼の気持ちを推察するに、

「平方完成ぐらいは知っているよ。でも、なんでここで平方完成するんだろう?」

と言うことであろう。その気持ちはよ〜くわかる。この解答では(1)の誘導の意味が全くないからだ

3.2/1999追記。(2)の解答を見ると、(1)の答も自動的に出てくるんだから、なんでわざわざ(1)を先に置いてるんでしょうか? 『(1)の誘導の意味が全くない』とはそういうこと。

そもそも、(2)は誘導を付けて示させるほどの問題なんだろうか? 厳しく言えば、生徒にやらせる価値のある問題なんだろうか?

Zの定義から、解の公式とすれば、(1)(2)ともに自明ではないだろうか。

つまり、「αが虚数であるときは、実部が」という(1)の答の一つはすぐ導かれるし(「αが実数」という方の答が当たり前なのは言うまでもない)、Zがどんな実数であってもこのような複素数αが存在することも当たり前ではないか。

教材を作ったものの気持ちを思えば、実数条件などを使って貰うつもりの問題なんだろう。しかし、この問題は、そういうことを教えるのには不向きであろう。

模試やテキストを作るとき、つい教師の硬直した目で問題を見てしまって、「この問題はこう解くのだ」と思いこんでしまい後から後悔することがある。素直に見たらもっと簡単に解けるではないか・・・などと。

テキストなら、有能な先生が授業でうまくフォローしてくれて事なきを得るのだけど(「あいつは馬鹿だ」と言う評価は受けなきゃしょうがない(T_T))、模試は取り返しがつかないから本当に気を使う。

「きみ、この冊子はベネ**の添削のものかな?」
はい、友達が高校2年生の時に受けてたのを僕が貰ったんです。

2年前の冊子か。何故か取ってあったのを貰ったのか。何故そんな訳のわからないものを、今さら解いてみるのだ。何なんだろうなぁ。



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